宮田塾へのご質問
中学受験についてはどのようにお考えですか?

宮田塾からのご回答

私立中学合格のためには、一定以上の負荷をかける必要があり、受験に特化した学習も必要となってくるのは事実です。だからといって、低学年時から受験勉強に奔走するのは、はなはだ疑問だと言わざるをえません。中学受験のためには、未熟な小学生に、受験に対する強い動機付けを行い、長時間の勉強を行わせること ( 最終的には毎日4時間から5時間近く、追い込み時には8時間から10時間近くは必要でしょう ) が必要となってきますし、保護者様にも勉強面・精神面・金銭面のすべてにおける協力体制を築いて頂くことが不可欠です。こうした意味で、中学受験は大学受験より難しい側面があるとも言えます。

このような負担をお子様に掛けることには、やはりそれなりのリスクがあります。例えば、勉強自体が嫌いな子になってしまい、受験のみならず勉強自体を放棄してしまう、といったケースは最も避けねばならないところです。また、中学受験には成功したものの大学受験のころには疲弊しきっているようなケースも見られます。

中学受験をお考えの場合も、1〜4年時は基礎的な学力を蓄え、受験学年 ( 数々の実例から見て、小学生が全力で集中できる期間の2年間程度が妥当だと考えます ) において、志望中学に向けての勉強に没頭するというスタイルが最も合理的ではないかと考えます。

近時の中学受験塾は、低学年からの受験準備を強調することが多いようですが、少子化をにらんだ営業戦略にすぎないと言えます。実際、難関中学に合格したお子様達と話をしてみても、ほぼ全員が1〜4年の間の受験指導にはほとんど意味がないと認識しています。中学入試問題が1〜4年の内容からはまず出ない ( 5・6年の内容からしか入試問題を作成しようがない ) ということも考え合わせれば、ご納得いただけるかと存じます。厳しいようですが、中学受験の場合、2年間の受験勉強をしたにもかかわらず不本意な結果に終わるお子様は、それ以上の期間をかけても同様の結果に終わる可能性が非常に高いということも言えましょう。

やはり中学受験には向き不向きがあります。具体的には、小学生高学年の時点で精神年齢が高い子供は受験向きですし、精神年齢が低い子供は受験の意義を理解した上で全力投球することが難しいということになります。ただ、いずれが良い悪いという問題ではないこともご理解下さい。受験という負担を小学校卒業時よりも、中学校卒業時に持ってきたほうがよいと判断される子供は、そうなさったほうが最終的によい結果が生まれるということです。

以上、中学受験に関して賢明なご選択をなさる一助となれば幸いです。

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